今年1月17日にカナダ消化器官協会から出たばかりの、IBSガイドラインを紹介したい。研究は日々進んでいるので、情報は鮮度が命!
マクマスター大学のDr. Paul Moayyediさんらのグループがまとめたガイドライン。ソースはこちら。(2019年2月25日アクセス)
※赤字は管理人かもしかの感想である。
ガイドライン作成の背景
過敏性腸症候群(IBS)は、最も一般的な胃腸障害の1つであり、世界中で一般人口の約10%が罹患している。この研究の目的は、IBS管理のためのガイドラインを作成することだった。
ありがたやありがたや。結構きな臭い療法も多いから科学的根拠を持って取りまとめるのはとても嬉しい。
ガイドライン作成方法
システマティック文献検索により、IBSの管理に関する研究を検証。証拠の質および推奨の度合は、GRADEアプローチ(医療におけるエビデンスの質と推奨の強さをグレーディングする手法)に従って評価された。
報告書は、オンラインプラットフォームを介して作成され、その後、臨床医と患者のグループによって投票、および最終決定された。
システマティック文献検索というのはシステマティック・レビューのようなものだろうか。(詳しい方いたら教えてください。)とにかくしっかりと調査を行ったよ、ということだね。
ガイドライン結論
低発酵性オリゴ糖、二糖、単糖、ポリオール(FODMAP)食療法が推奨されているが、グルテンフリー食療法は推奨されていない。小麦ふすまではなく、オオバコが症状の軽減に役立つことがある。ペパーミントオイルやプロバイオティクスなどでの療法が推奨される一方で、ハーブ療法や鍼治療は推奨されていない。心理療法として、認知行動療法と催眠療法が推奨されている。薬理学的療法では、鎮痙薬、特定の抗うつ薬、エルカドリン、ルビプロストン、およびリナクロチドがある。ロペラミド、コレスチラミンおよび浸透圧性下剤は、全体的なIBSの症状には推奨されない。薬理学的治療法を選択する場合は、IBS症状の性質(下痢型または便秘型)を考慮する必要がある。
結局のところ、薬以外の治療法を整理すると下記になる。
推奨=低FODMAP食、オオバコ、ペパーミントオイル、プロバイオティクス、認知行動療法、睡眠療法
非推奨=グルテンフリー食、ハーブ療法、鍼治療
低FODMAP食、ペパーミントオイル、プロバイオティクスはこのサイトでも何度も紹介しているとおりだ。
それに加えて、認知行動療法や催眠療法も有効なよう。どうやら瞑想も認知行動療法の一つのようで、これも以前紹介している。
恥ずかしながら、オオバコって何のことだか知らんかった。。軽く調べるとダイエットと一緒に出てくることが多いが、健康食品関係では有名なんだろうか。オオバコが過敏性腸症候群にどのように効くのかよくわからないので、後日論文を探してみたいと思う。
記事を読んで(管理人かもしかの感想)
オオバコ、催眠療法以外は既にこのサイトでも紹介したことのあるものばかりだったので、有効性の再確認といった感じになった。筋トレも効果あると思んだけど、この研究結果には入ってなかった。
ちなみに、私は、少し緩めの低FODMAP食生活、ペパーミントオイル、プロバイオティクス、瞑想、筋トレを続けているが、最近かなり調子が良くなってきた。正直、全てを毎日続けるのは容易ではないんだが、過敏性腸症候群を治したいというあなたのやる気次第だと思う。厳しいことを言うようだけど、私のように病院の薬でも効かなかった方はぜひ自分でやれることを精一杯やって頑張ろう。